
日本にはさまざまな奨学金制度や留学制度があり、毎年、多くの研究者がこれらの制度を利用して米国の研究機関へ留学されていますが、彼らの多くは手弁当の期間が終われば日本へ戻り、米国で財団や政府機関(NIHやNSFなど)から新たにファンドを獲得して研究活動を続ける人は多くはありません。もちろん、研究者の中には米国より日本のほうが研究環境が優れているため、喜んで帰国する人もいますが、米国に残ろうと必死に努力したけどファンドが取れずに泣く泣く帰国する人もいます。
米国でファンドを得るためには、アメリカ人はもちろん、アメリカンドリームを求めて世界中から米国へ集まってきたべスト&ブライティストと同じ土俵で戦わねばならず、熾烈な競争が待っています。自分でファンドを獲得できなくても、運がよければボスが取ってきた研究費で「任期付きポスドク」として再雇用してもらえることがありますが、米国で研究者として自立して生きていくためには、遅かれ早かれラボのファンド・レイジング(プロポーザルを書いて競争的資金を取ってくること)に貢献せねばなりません。
インドや中国からの留学生は石にかじりついてでも米国に残ろうとし、実際に多くの方がファンドを得て米国に残っています。日本からの留学生の多くが米国に残らない(or 残れない)のは、インドや中国からの留学生に比べて研究の能力が低いからでは決してありません。これは、ファンド獲得のためのプロポーザルライティングに慣れていないことが大きな原因になっていると考えられます。
プロポーザルライティングのスキルは、研究のスキルとは別です。世界で活躍する研究者になるためには、英語でプロポーザルを書くスキルを磨くことは不可欠です。このスキルは米国でファンドを獲得するためではなく、将来、海外の研究者達と国際プロジェクトを立ち上げる際にも必要となります。
米国の大学では、学生は学部の頃からプロポーザルライティングのトレーニングを受けます。また、大学や研究機関では研究者はリタイアするまで、ライティングだけでなく、プレゼン、コミュニケーション、およびプロジェクトマネージメントなどさまざまなトレーニングを受けます。今回の講演では、こうした米国のトレーニングプログラムについて紹介するとともに、日本でも大学がこのようなトレーニングを実施していくためのノウハウなどについて議論したいと思います。
| 日時 | 2008年11月27日(木)10:00~12:00 |
|---|---|
| 会場 | 早稲田大学 早稲田大学 55号館S棟 4階 410室 |
| 講師 | 清貞智会氏(米国SRI International シニアアナリスト) |
| 主催 | 早稲田大学 ポスドク・キャリアセンター |
| 共催 | 早稲田大学 博士キャリアセンター |
| 参加登録 | 事前登録制(当日参加も受け付けます) |
| お問い合わせ |
早稲田大学 博士キャリアセンター 電話: 03-5155-4661 |