意識啓発 スキルアップ 交流促進 環境醸成

フォーラム「化学系ポスドクへの期待」
~21世紀を担うイノベーション人材~

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【開催趣旨】

博士号を取得した若手化学者(化学系ポスドク)が産業界と連携し、産業技術分野で活躍できる環境整備の一環としてフォーラム「化学系ポスドクへの期待」を、産業界、学協会、大学・研究機関が連携して開催します。
具体的には、
(1)化学技術と若手化学者に関わる基調講演
(2)文科省、産業界、学協会、大学・研究機関の代表者によるパネル討論
および、
(3)化学系ポスドク代表者による研究成果発表と産業界での活用に関わる意見交換を行い、化学技術および人材育成に関わる、より実質的な産学官連携を目指します。
こうした産業界、学協会、大学・研究機関の交流の機会をとおして、化学系ポスドクが産業界で活躍する道を拓きます。

日時 終了いたしました。
2007年9月11日(火) 14:30~18:00
(ポスターセッション&懇親会 18:00~19:30)
会場 早稲田大学 大久保キャンパス55号館 N棟1階大会議室
(ポスターセッション&懇親会: 55号館 N棟1階第1会議室)
(交通アクセス)
プログラム 1.基調講演 「21世紀を支える化学技術と若手研究者」
講師:
西出 宏之 (早稲田大学 理工学術院 教授、社団法人高分子学会 会長)

2.パネルディスカッション 「化学系産業とイノベーション人材」
コーディネーター:
丸山 正明 (株式会社日経BP 産学連携事務局 編集委員)
パネラー:
高比良 幸蔵 (文部科学省 人材政策企画官)
府川 伊三郎 (社団法人日本経済団体連合会 産学官連携推進部会委員、
           社団法人日本化学会 理事、旭化成株式会社 顧問)

出口 尚安 (株式会社富士フイルム人材開発センター 社長)
朝日  透 (早稲田大学 理工学術院 教授)
原  正彦 (独立行政法人理化学研究所、フロンティア研究システム チームリーダー)

3.産業界への研究事例紹介
日本化学会、高分子学会、化学工学会、理研、産総研、早大等から推薦された若手研究者が、実用化が期待される研究成果(10数件)についてプレゼンを行います。
※詳細は以下をご参照ください。
⇒詳細のPDFはこちらから

4.ポスターセッション&懇親会 (18:00‐19:30)
若手手研究者のプレゼンに引き続き、ポスターセッション会場にて、若手研究者と企業関係者が意見交換し交流します。
共催 (社)日本化学会、(社)高分子学会、(社)化学工学会
(財)化学技術戦略推進機構、(独)産業技術総合研究所
(独)理化学研究所、早稲田大学
後援 (社)日本経済団体連合会
参加費 無料
参加登録 事前登録制

若手研究者の研究事例発表内容

発表者所属発表タイトル研究概要
東京大学
大学院化学専攻
精密分子設計によるナノアレイ、ナノスペース、ナノモーション 原子や分子を空間に自在に配列化することが可能となれば、新たな物質の構築や化学現象の本質的な理解が可能となる。我々は、金属イオンを取り囲む、生体分子系および完全人工系の多座配位子の精密設計を行い、それらと金属イオンの自己集合による新奇なナノレベルの分子構築や機能発現をめざし研究を行っている。本講演では、金属錯体型人工DNAによるナノアレイ、金属イオンの動的挙動に基づくナノスペース、世界最小の分子運動連携システムによるナノモーションについて、新物質構築の観点から概観し、さらに今後の展望について述べる。
東京大学
大学院化学専攻
新規酸化鉄ナノ微粒子の化学的合成と磁気特性 当研究室では化学的手法を用いることによって、室温で20kOeという巨大な保磁力(Hc)を示す酸化鉄ナノ微粒子を得ることに成功している。この材料は酸化鉄の中でも極めて稀な・-Fe2O3相である。本研究ではこのナノロッドの配向体を磁場によって作製した。この材料の保磁力は金属酸化物最大の値である23kOeを示した。またインジウムにより置換した・-Fe2O3相は室温以下でフェリ磁性-反強磁性転移を示し、その転移温度は置換量に伴い上昇することを見出した。
産業技術
総合研究所
集積型人工生体膜の開発 生体膜は細胞と外界のインターフェースであり、その機能は創薬や診断などに関連した技術開発に密接に関わっている。産総研では、集積化した人工生体膜マイクロアレイによって生体膜機能をチップ上で再現する技術を現在開発している。この技術が実用化されれば、創薬や診断の主要ターゲットである膜タンパク質を含む生体膜機能を高効率でスクリーニングすることが可能になる。
産業技術
総合研究所
オーガニックナノチューブの大量合成 天然由来の安価な原料から合成した糖脂質やペプチド脂質をアルコールに溶解し、ただ溶媒を蒸発させるだけでナノチューブを合成する手法を確立した。大量合成に成功した初めての有機ナノチューブであり、バイオ分野などでの機能性物質の吸着・包摂・除放材料として応用が期待できる。
産業技術
総合研究所
省エネルギー的分離技術:炭素膜による気体分離技術の開発と実用化に向けて 「ものを分ける技術」すなわち分離技術は種々の製造プロセスで必須の技術であり、多量のエネルギーを消費している。膜分離法は、分離技術の一つであり、主に圧力によって物質を分離するので、熱エネルギーを必要とする蒸留法などに比較して、省エネルギー的であるという利点をもっている。従来の炭素膜は高分子ポリマーを原料としており、気体分離においては性能に限界があった。その点、炭素膜は分子ふるい能により高分子膜より高性能を示し、耐溶剤性や耐熱性に優れるなど、新規気体分離膜として期待されている。しかし、実用化に向けては炭素特有の脆さや膜コスト等の問題があり、実用化れた炭素膜は世界で一例のみである。本発表では、これらの問題を改善し、実用化に向けて開発中の中空糸炭素膜について紹介する。
産業技術
総合研究所
カーボン担体表面官能基の新規定量法の開発 カーボン電極上の酸性官能基は電極表面の特性に大きな影響を及ぼすと考えられているが、特定の官能基の簡便な定量法は殆ど知られていない。本研究では、カーボン電極上のカルボキシル基を電気化学的に定量する簡便な手法を開発した。
理化学研究所 エチゼンクラゲなどのクラゲ廃棄物から抽出した新物質 日本海で大発生するエチゼンクラゲ、発電所をシャットダウンの危険にさらすミズクラゲなどの体内から、医薬品などに使えると考えられる新物質(ムチン)を発見し、その基礎研究と応用開発を進めている。抽出方法、精製方法、分析方法の開発、ならびに分子構造の解析などを進めながら、実用化を目指している。
早稲田大学 晶析工学を基軸とした微粒子制御手法の開発 製品微粒子の単分散化およびナノサイズ化の必要条件を満たす結晶化反応場の設計と操作法の最適化、ならびに粒子生成過程の解明に関する報告を行う。一般に単分散ナノ粒子を液相中にてビルドアップ生成する場合、各生成の制御や粒子間凝集の抑制が克服すべき課題となる。本研究では、アルカリ土類金属塩や単体金属(硫酸ストロンチウム・炭酸カルシウム・炭酸ストロンチウム・金・銀)をターゲット物質として高分子電解質、あるいはマイクロエマルションを結晶化反応場として用いることにより、変動係数0.1未満の単分散微粒子や、粒子径5-50nm程度のナノ粒子を作製することに成功した。
早稲田大学 生物機能を利用した物質変換の化学プロセスへの応用 酵素あるいは微生物などの生体機能を触媒として利用する生体触媒は常温常圧で反応が進行することから、環境調和型の物質生産プロセスへの応用が期待されている。本発表では、生体触媒による物質変換の化学プロセスへの応用として、石油の微生物脱硫、芳香族ヒドロキシカルボン酸合成、ならびにペプチド合成などを紹介する。
早稲田大学 細胞一個のマイクロ流路内での捕獲、破砕、培養デバイスの開発 細胞1個の内部の成分を測定するには、細胞懸濁液から細胞1個を個別に捕獲し、さらに個別にその成分だけを破砕した後、分析システムに導入する必要がある。細胞懸濁液から細胞1個を個別に単離、捕獲することを可能にし、加えて、捕獲した単一細胞を個別に破砕、または、個別に培養する多機能を持つ細胞捕獲、破砕、培養デバイスを開発した。
早稲田大学 全有機不揮発性メモリ:ラジカルポリマーからなる新しいメモリ p型ラジカル-、高誘電体-、n型ラジカルポリマーの3層からなるメモリ素子を湿式法により簡便に作製した。ラジカルポリマー層内の電荷移動および高誘電体ポリマー層界面での電荷蓄積によりON-OFF比は104桁以上、高い状態保持力を示した。逆電圧印加により蓄積された電荷を初期状態へと容易と戻すことができるため高い繰り返し耐久性が発現し、ラジカルポリマーメモリが不揮発性、双安定および書換え可能メモリ素子として応用可能であることを初めて実証した。
早稲田大学 ストークス・アンチストークスラマン散乱強度比を用いた高分子発光ダイオードの温度測定 ITO/PEDOT-PSS/PF8:F8BT/LiF-Al構造の高分子発光ダイオードについて、駆動時の内部の有機層の温度を、ラマン分光によって測定した。スペクトルの強度補正を行い、PEDOT由来のラマンバンドのストークス・アンチストークス強度比の値からPEDOT層の温度を算出した。PEDOT層の温度は、熱電対で測定したガラス表面温度より高温となった。
早稲田大学 単分子膜修飾表面でのキラル識別とそのセンシングへの応用 固体表面に形成される自己組織化単分子膜によるキラル識別場の構築を試みた。特に、単分子膜構成分子と対象分子との一対一の相互作用のみならず、表面で形成される分子配列あるいはナノ空間によって発現するキラル識別能に着目し、単分子膜上への吸着や結晶化、および単分子膜修飾電極での酸化還元反応について、鏡像体による差異を検討した。また、センシングへの応用のため、検出手法を含めた展開を図っている。
早稲田大学 有機分子膜修飾を利用した電界効果トランジスタ型化学センサの開発 電界効果トランジスタ(FET)を利用したセンサは、ゲート電極近傍での化学反応に伴う表面電荷の変化を電気的信号として検出することのできるデバイスであり、半導体集積化技術を直接適応することにより、小型化、高密度化を行えるという利点がある。ここではFETのゲート酸化膜表面を、種々の有機分子膜により修飾することで、溶液のpH変化や電極表面でのDNAハイブリダイゼーション反応に対する応答性を発現させた化学センサの開発研究について報告する。
早稲田大学 単一層状ケイ酸塩から誘導された規則性メソポーラスシリカの調製 数nmの均一なナノ孔を有するメソポーラスシリカは、触媒・吸着剤に加え、医療など他分野への応用が期待され、近年盛んに研究が行われている。本研究では、単一層状ケイ酸塩とアルキルトリメチルアンモニウム塩との反応により、シリカ-有機複合体を調製し、メソポーラスシリカへの転換について報告する。

フォーラム風景

参加者アンケートから

  • 提案・提言が具体的で、その根拠となる実例・データが豊富でわかりやすかった。
  • 早大におけるドクター育成の仕組みを分かりやすくご説明いただき有難うございました。
    企業の役割の重要性が今後増すことを理解しました。
  • 実例をあげた説明はアピール性がありました。
  • 出口を見据えた内容のポスターセッションのプレゼンで将来が楽しみです。
  • ポスターセッションでは、社内の技術開発に応用できそうな発表があった。